木造である錦帯橋の位置付け
講師 佐々木康寿氏 名古屋大学大学院生命農学研究科 教授
岩国市役所主催 錦帯橋国際シンポジウム 、2008年1月27日 岩国観光ホテル
岩国市役所配布(2008年)、岩国中央図書館所蔵
(1〜8頁) その5
第二部 パネルディスカッション
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世界遺産として見た錦帯橋の価値
・木造橋建造の歴史
・国外の木造橋
・錦帯橋の真実性
木材の強度や建築構造のへの利用を研究しています
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記録に残る最初の木造橋は12世紀の後半、オーストリアのイン川に架けた橋である。これ以降、ヨーロッパでは木造橋の
架設が活発になり17〜18世紀がピークであった。写真は、1781年オーストリアのチロル地方の典型的な木橋であり、歴史的文化財である。
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この橋には強度のあるヨーロッパカラマツが使われている。この時期の木造建築にはカラマツ、モミ、スプルース、モミが使われている。
オーストリアのパンツェンドルフ橋
トラスという骨組み構造を3つ繋ぎ合わせ、全長66m、幅4mと長いスパンを実現している
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同時期の構造
トラスは三角形を基本にする骨組みをつくり、木造でも長いスパンを掛け渡巣ことができる
中国の木造橋
錦帯橋とは構造が違う
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錦帯橋で使う木材は、アカマツ、ケヤキ、ヒノキといった国産の代表的な木材である
木造文化の伝承
・使用木材は、創建時のものではない
・使用木材の樹種・使用部位・橋の形状・構造は創建時のままである
・一部材料は循環利用している
・架橋技術は継承しており、無形文化である
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錦帯橋は何度か架け替えているが、創建時の精神に従って使用木材の樹種、構造、架設方法などが継承されている
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錦帯橋は木材を500立方メートル使用しており、225トンのCO2の放出を軽減している
一般家庭の乗用車1台が40年間走行で排出するCO2に相当する
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