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 世界文化遺産と錦帯橋
  1. 錦帯橋は、UNESCOが世界遺産条約に定める「顕著で普遍的価値を有する資産」であり、世界の宝として保護してゆかねばならない資産であります。
  2. 錦帯橋の第2、第3、第4橋は、木材を用いたきょう肋方式長スパン・アーチ構造であり、世界に例のない唯一の橋であります。世界遺産の中には、橋梁は沢山ありますが、錦帯橋式木造アーチ構造の橋はありません。岩国市が平成25年3月に発行した『究極の名橋 錦帯橋』はこのことを立証しております。
  3. 錦帯橋は340年前に創建された原型を忠実にとどめ、進化した技術(助木・振止め等)を採り入れ、20年〜30年おきに架け替えながら、その技術を伝承してきた遺産であります。
  4. 現在イコモスの委員であるミシェル・コット教授は、錦帯橋独特の「皆折釘や大工の知識・技能」は目に見えない価値として、世界遺産委員会は注目すると指摘されています。
  5. 端麗な姿の錦帯橋は、常緑の城山・清流錦川と融和した三位一体の景観をかもしています。


2 錦帯橋の世界文化遺産への道
 平成18年、文化庁へ岩国市は山口県と共同で「錦帯橋と岩国の町割」の名勝で暫定リスト登録を目指しました。その結果、平成19年1月、錦帯橋の暫定リスト入りはかなわず、継続審議のカテゴリーTa(1a)にランクされ、いくつかの課題を提示されました。この課題をクリアすれば、暫定リストに登録され世界遺産への道が拓けるのです。
 錦帯橋は永久に保存されるべき宝であります。世界文化遺産をめざし、みなさまと共に活動を続けてまいります。ご支援とお知恵をお願いします。


非公式見解
 錦帯橋が未だに暫定リストに入らないのは次の理由と言われています
  1. ・木造橋及び河川を中心に両岸の町並み等文化的景観の保全
  2. ・橋梁は景観として優秀な価値は認めるが,材料の真実性が低い点を配慮して,技術の継承及び技術者の育成を含め,真実性総体に関する証明が必要である
  3. ・登録基準で土地利用の観点
  4. ・創建時の橋脚や橋げた等部材が残っていないので遺跡ではないと考えている
注)
現在、岩国市役所錦帯橋課を中心にこれを打開する活動を進めています
錦帯橋は創建事より木造の架橋は20〜30年おきに架け替えており創建時の橋げた部材はありません。 しかし、河床地下には上流・下流60間に渡り無数の松の杭を埋め込み、その上に3層の石畳・石積みがあり、これが錦帯橋を支えている。
第1層の石畳は川岸から見えますが、その下はみえないので分かり難いですが、錦帯橋を支えているのは河床下です。 残念な事に、戦後復旧の砂利採取で河床が緩み、1950年のキジヤ台風のとき橋脚下がめくれ上がり、橋脚内部の砂利が流失して空洞になり、 4橋脚のうち流れが急な中央の2橋脚は崩れました。 1953年の補修では河床の補強、橋脚内部を鉄筋コンクリートにして砂利のように流れ出ないようにしています。 橋脚に使われていた石垣はそのまま外壁に使っているので、創建時の石材と河床下の石材・松の杭は、大部分創建時のままです。 余談ですが、キジヤ台風の翌年1951年10月発生したルース台風の洪水は更に2m水位が高く、錦帯橋の下流でキジや台風では損害が無かった 近代工法の臥龍橋、大正橋、愛宕橋、門前橋、寿橋などが尽く落橋,流失しました。

岩国市役所
錦帯橋課